
長年たくさんのアトピーを抱えている方を見てきた中で、一般的には「アトピーによい」とされているものが、実はアトピーの改善を妨げていたり、アトピーの炎症の火種になっているために、アトピー症状は軽い、または出ていないが、ちょっとしたことで再発したり、ある程度まではよくなっても根本的にアトピーが治ったとは言えない状態が続いている人が多いことが分かってきました。
もちろん、アトピー治療のゴールは人によって様々で、現状で満足されているなら何も問題はありません。
私たちはアトピーのために生きている訳ではないからです。
でも、もしあなたが「今よりもっとアトピーをよくしたい」と思っているなら、ぜひ以下の記事を読んで欲しいと思っています。
免疫力を高めるとは?
アトピーをよくするために免疫力高めよう!
よく聞く言葉ですね。
免疫力とは一体なんでしょうか?
体の中に異物(ウィルスなども含む)が入ってきたときに、それを分解して、代謝して、体の中に排泄する。
古くなった細胞を壊し、新しい細胞を作っては入れ替えています。
この一連の流れをスムーズに行える身体であること、と私は考えています。
免疫力が高い身体はエネルギー代謝がスムーズに行われているので、あたたかく、酸素と血液を全身に巡らせる力があります。
そのため免疫力が発動すると、体温が上がって発熱したり、異物処理のために出てきた壊れた細胞(ゴミ)を新しい細胞と入れ替えるために、アトピー症状が出てくることがあります。
アトピー症状が出ても免疫力が働いていれば、ゴミ掃除は一定期間の後に終わるので、ゴワゴワのアトピー肌の下に健康な皮膚が育ってきて、少しずつアトピー症状が出ない・出にくい身体と肌質になってきます。
皮膚は人体の中で最も再生能力の高い臓器でもあるからです。
ところが冒頭のアトピーがなかなかよくならない人は、アトピー症状を出ないように・出ないようにするために、免疫を抑制するような食事、生活、マインドを行っている場合があり、根本的にアトピーが治ったとは言えない状態になってしまっています。

免疫を抑制する食事になっていないか
免疫を抑制するものの代表格は、その名の通り免疫抑制剤と呼ばれる薬やステロイドです。
その他、薬以外にも私たちの身の回りにはさまざまな免疫を抑制するものが溢れています。
たとえ一般的に「健康に良い」とされているものであっても、です。
その中には、一時的に短期間行うことで免疫の作用が活発化して健康に寄与するものもありますが、長期間にわたって継続的に行うと免疫を抑制することになるものもあります。
例えば「断食」「青汁」「糖質制限」などです。
私たちの生きるエネルギーの材料になる栄養素は、脂質・糖質・タンパク質の三大栄養素で、中でも糖質がエネルギー生産の中心を担っています。
3日以上行う本断食を年に1・2回、普段食べ過ぎる傾向がある人が週に1日、または夜だけ断食(ファスティング)することは、内臓を休ませる意味において有効だと私も考えていますが、余分な脂肪がない人や総体的なエネルギー量が低い人(低体温・低血圧・貧血傾向)の人が行うと、免疫を働かせるエネルギーを確保することができず、アトピーを悪化させることがあります。
少し前に流行った「糖質制限」も同様の理由で私はおススメしていません。
エネルギーが作られない、足りない、ということは、免疫が働かない=免疫を抑制することに他ならないからです。
健康的なイメージが強い「青汁」は、ケールやブロッコリー、カリフラワーなどアブラナ科の野菜で作られていることが多いです。
アブラナ科の野菜に含まれるゴイトロゲンという物質や大豆サポニンには、甲状腺機能に不可欠な海藻、塩、ヨウ素の吸収を阻害し、その結果、甲状腺に過剰な刺激を与えて甲状腺機能を低下させます。
甲状腺ホルモンは、 脈拍数や体温、自律神経の働きを調節してエネルギーの消費を一定に保つために必要なホルモンで、代謝や成長などを調節する作用があるため、甲状腺機能が低下すると、元気がなくなり、疲れやすくなります。
免疫力を発動するどころではない、免疫抑制状態になる、という訳です。

またエネルギー生産のバックアップ・プランである脂質をPUFA(植物性油・オメガ3・魚油/多価不飽和脂肪酸)で摂っていると、エネルギー生産の中心を担う糖のエネルギー生産を邪魔して、生産するエネルギーの量が激減し、免疫を発動するためのエネルギーを確保することができなくなります。
脂質によるエネルギー生産と糖質によるエネルギー生産は、同時に行うことができないためです。
揚げ物を食べたり、脂を使った料理を食べた後、胸が気持ち悪くなったり、疲労を感じたことはありませんか?
PUFA(植物性油・オメガ3・魚油/多価不飽和脂肪酸)は炭素結合の鎖が長く、消化吸収と代謝に膨大なエネルギーを必要とするため、消化吸収と代謝に膨大なエネルギーが必要になり、アトピーをよくするために使われるべきエネルギーを無駄に消費することになります。
結果として、免疫が抑制されてしまうことになります。

アトピー症状が出るのが怖い
アトピー症状が出ることを恐れるあまり、生きることがアトピーのためになっていませんか?
アトピーの痒みは本当に不快で辛いです。
痒みだけで終わればまだマシなのですが、皮膚がボロボロになり、外見を著しく損なうだけでなく、酷い場合は日常生活をおくることすら難しくなります。
前向きなマインドを持つどころか、不安やイライラのために精神状態が不安定になることもあり、対人関係にまで影響を及ぼします。
そのためアトピーという病態を抱えていると、生活のあらゆる側面で、また人間関係においても慎重にならざるを得ません。
ところが「適度に気をつける」程度であれば良いのですが、過度に慎重になりすぎて、その慎重さがストレスになり、緊張状態を生み、闘争状態または逃走状態になっているケースがあります。
そのストレスから逃れるために、ますます消極的になり、自分の身体や環境が変化しているにもかかわらず小さな成功体験に固執し、アトピーがよくなっていっていないにもかかわらず、ずーっと同じセルフケアを続けている場合があるのです。
もちろん、今までよかったやり方で満足しているなら、アトピーが少しずつでもよくなっているのなら、変える必要も、変わる必要もないし、今のままで良いのです。
症状を出さないために慎重になる、ということは、リスクマネジメントがしっかりしている、ということでもあるからです。

症状が出ない=アトピーが治った、と思っていない?
アトピーの症状が出ていなければ、アトピーがよくなった、と思う方は多いでしょう。
薬や、それ以外のもので免疫を抑制し、今起きている症状を消すことが、現在行われているアトピー治療の主軸だからです。
薬を塗らなかったら、またアトピー症状が出てくる。
それは本当に「治った」と言えるのでしょうか?
サプリメントやスキンケアを徹底したり、何かをしなければ、アトピー症状が出てくる。
それは何故でしょうか?
大切なのは、アトピー症状が出たとしても回復することができる身体であることと私は考えています。
症状が出ることは必ずしも悪ではないし、むしろアトピーがよくなっていく回復へのプロセスに過ぎません。
風邪をひいたら熱が出て、数日後には元気になっているように、怪我をしたら傷口から血が出て固まり、かさぶたになって、その内かさぶたがはがれてキレイな皮膚が顔を見せるように、治癒に向けて回復のプロセスの間には、熱が出たり、腫れたり、赤くなったり、痛みや痒みが出ることがあります。
それは治癒のために必要なプロセスですから、闇雲に怖がらないで欲しいと思っています。
もちろん、アトピーは免疫の暴走という自己免疫疾患の側面もありますから、症状を出せば出すほどデトックスが行われてアトピーがよくなる訳ではありません。
免疫を抑制しない方向で、アトピー症状をコントロールして、少しずつ少しずつアトピーをよくしていくのが理想です。
そのためにできることは沢山あります。
アトピーを抱えてきた期間が長ければ長いほど、免疫を抑制する方向のセルフケアをしてきた方こそ必要なのは、忍耐と変わる勇気です。
常に流動的に変化していることが生命の本質で、アトピーという病態の本質も、増悪と緩解を繰り返しながらよくなっていくからです。

アトピーをよくしていきたい方は、どうぞお気軽にご相談ください。
当院では、ステロイドなど薬を使うことを否定したり、または脱ステを強要したりすることはありません。
また極端な食事制限や、高額なサプリメントを販売することもありません。
現在のあなたのお身体の状態を診断・治療した上で、鍼灸でできること・できないことと、その他あらゆる選択肢を提示し、これから未来に向かってどうやってアトピーを治していくのか、ご自身に判断していただきます。
治療とは、主体的であるべきである、というのが、当院の治療方針だからです。
こちらの記事↓↓↓も参考になさってください。
なぜステロイドでは治らないのか【ステロイドとは何なのか?②】
【アトピーをよくするための10の基本事項】
⑨シーソーが揺れ動くのを楽しんでしまうくらいの気持ち(マインド)
鍼灸治療は、心と体の調和を目指します。
定期的に受けることで、心身の健康を保つために役立ちます。
心と身体が丈夫になり、
柔軟性が向上し、免疫力が高まってきます。
自信が持てるようになり、
リラックス、ストレス軽減効果があります。

コチラ↑↑↑をポチっと押して、お友達に追加してくださいね。
お得なクーポンや、季節の養生法などセルフケア情報を配信しています。