コロナ以降、起立性調節障害(OD)のために来院される中学生・高校生が増えています。

初潮を迎える・急激に身長が伸びるなど第二次性徴と重なることが多く、推定患者数は軽症例も含めると約100万人、中学生の10人に1人に発症している、という統計もあります。

本人は学校に行きたくても、朝起きられない、めまい・立ちくらみ、倦怠感、頭痛や腹痛などがあり、遅刻や早退、欠席せざるを得ないのです。

病院で起立性調節障害と診断された子どもの親御さんからの問い合わせで来院となるケースがほとんどで、「薬を飲めば治る」という病態ではないため、投薬に疑問をもったり、通学できない子どもを見かねた家族がお子さまを連れて来院されます。

起立性調節障害の原因

起立性調節障害は自律神経の乱れが関係していると言われています。

自律神経は血圧の調整に関与しているため、自律神経が乱れると起立性調節障害の主症状、朝の起き辛さ、めまい・たちくらみ、倦怠感が起こるからです。

 

自律神経が興奮して交感神経優位になると、血管を収縮させるホルモンを分泌して血圧が上がりますが、自律神経がリラックスして副交感神経優位になると、今度は血管を拡張させるホルモンが分泌されて血圧が下がります。

ちなみに血圧とは「心臓から流れる血液が血管を押す力」のことです。

通常は動脈、特に上腕(腕の肘から上の部分)の動脈における圧力を意味します。

血圧は心臓が収縮して血液を押し出すときに高くなり(最高血圧/収縮期血圧)、反対に心臓が拡張して血液の流れが緩やかになるときには低く(最低血圧/拡張期血圧)なります。

血圧の高さは、心臓が血液を押し出す力と血管の抵抗の強さで決まります。

そして血圧が低過ぎると、全身に十分な血液が供給されず、細胞が酸素や栄養素を十分に受け取ることができなくなるためさまざまな症状が現れます。

つまり、低血圧で(心臓が血液を押し出す力が弱い)、貧血傾向で血球成分が薄い(血球成分が多いと1回の拍動を強くすることで血液の流れをスムーズにしようとするため血圧が上がる)人が、血圧が下がって低いときに、急に立ったりすると、めまいやふらつきが現れるのです。

その他、血圧が低くなる要因としては、運動不足によって末梢血管(毛細血管)に血液が流れ込む際に受ける抵抗が弱くなる、月経のために体の中を循環している血液の量が減るなどがあります。

主症状以外にも、頭痛、動悸、全身の倦怠感などの身体的な症状に加え、不安感、不眠、食欲不振といった精神的な症状が生じる場合もあります。

中学生・高校生にとって一番の問題は、遅刻や欠席が続いて勉強に遅れが生じたり、友人関係に支障をきたすこと、結果として不登校や引きこもりにつながることかもしれません。

起立性調節障害のために日常生活でできること

起立性調節障害と診断されると、病院では睡眠薬を処方される場合があります。

起立性調節障害の子は午前中に症状が強く出て、夕方頃から元気になってくることから、就寝時間が遅くなる傾向があるため、余計に朝が起き辛くなり、ますます生活のリズムが乱れてしまうからです。

そのため早寝・早起きまではいかなくても規則正しい生活を心がけ、生活リズムを整えることが基本になります。

目覚めの日光を浴びてから14時間後に再分泌されて眠気を誘睡ってくれる眠ホルモンであるメラトニンのメカニズムを利用して、就寝時間を決めましょう。

朝起きたら、すぐに動けなくても上半身を起こして(壁や椅子にもたれてもOK)血圧が上がってくるのを待ちましょう。

 

食欲不振や食べムラの症状が出ている場合もあり、食事がおろそかになりがちですが、食事を三食きちんと食べましょう。

塩分の摂り過ぎは高血圧の原因となるため血圧が高い方には禁物ですが、低血圧の場合には1日10g以上、塩分を摂取することが推奨されています。

塩分をきちんと摂取することが最も重要です。

 

手足の末端部から血液が心臓に戻る力が弱い可能性もあります。

血液循環には筋肉の収縮が関与するので、心掛けて体をよく動かして末端部の筋肉を鍛え、血液の循環をよくするようにしましょう。

手足の指を開いたり閉じたりするグーパー体操や、ふくらはぎを鍛えるスクワット、ウォーキング(30分以上)などがおススメです。

コロナ以降、起立性調節障害の患者が増えている一番の要因は、Stay Home、自粛生活でコロナ以前は最低限確保されていた運動量が更に減り(そもそも現代人は基本的に運動不足です)、ひどく運動不足になったためです。

鍼灸治療でできること

血管自律神経の調整は鍼灸が最も得意とするところです。

手足の末端部から心臓へ戻る血液の環流を促し、血液の循環をよくします。

東洋医学では、めまい・ふらつきといった症状は「湿」の病とされています。

体の中に余分に溜まった水を流して再吸収を促し、尿の排泄を促します。

※現代医学でも、めまいの治療には利尿剤を出されることが多いです

胃腸の働きをよくして、成長期に必要な栄養の消化・吸収を助け、体の成長をサポートします。

 

中学生・高校生の起立性調節障害は、週に1回(月4回)、または月に2回の通院で、通常3カ月程度で終了することが多いです。

どうぞご相談ください。

一般鍼灸治療

鍼灸治療は、心と体の調和を目指します。

定期的に受けることで、心身の健康を保つために役立ちます。

心と身体が丈夫になり、

柔軟性が向上し、免疫力が高まってきます。

自信が持てるようになり、

リラックス、ストレス軽減効果があります。

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