なぜステロイドでは治らないのか【ステロイドとは何なのか?②】
ステロイド(コルチゾール)について考えていくと、自分自身が主体的になって課題(アトピーや不調)に取り組んでいくことが劇的な改善をもたらしてくれることが分かってきます。
身体を維持するため、生きのびるために重要な働きをしているコルチゾール。
別名抗トレス・ホルモンと呼ばれるほど、ストレスを受けたときに、ストレスに対処するために使われます。
狩猟時代、危機的状況に直面したとき、敵から「逃げるか」「戦うか」の選択を迫られました。
そのため、コルチゾールをはじめとする副腎ホルモンによるストレスへの対処システムは、「闘争か逃走(ファイト・オア・フライト)反応」と呼ばれています。
ストレスへの対処システムは、体のどこかに炎症があると以下のように作動します。
ストレス
↓↓↓
炎症に対処するためにコルチゾールを分泌してエネルギーを使う
↓↓↓
炎症をしのぐためのエネルギーを確保する
↓↓↓
エネルギーが足りなくなると、糖・タンパク質・脂肪を分解してエネルギーに変えていく ※コルチゾール分泌
↓↓↓
集中力を高めて炎症を抑える力を発揮(免疫抑制)し、ストレス下で炎症に対処していく ※コルチゾール分泌
ストレスがあってもうまく対処して、ストレスが減る、もしくは解消すればコルチゾールの分泌は終わり、ホルモンのバランスは通常通りに保たれます。
炎症の軽いもの、アトピーの発症期に十分にエネルギーが確保され、うまく炎症に対処することができれば、壊れた細胞は寝ている間に修復され、お肌のターンサイクルと共に死んだ細胞は垢となって剥がれ落ち、健康な皮膚が現れてきます。
問題は、ストレスにうまく対処できずに炎症が続いたとき、またはステロイド薬を使い続けた場合です。
ストレス
↓↓↓
コルチゾールが分泌され続ける、または分泌していなくても外から身体の中にコルチゾールが入り続けている
↓↓↓
炎症を抑えるためにエネルギーを確保
↓↓↓
エネルギーが足りなくなると、糖・タンパク質・脂肪を分解してエネルギーに変えていく ※コルチゾール分泌
↓↓↓
コルチゾールは皮膚・筋肉・骨のコラーゲンからタンパク質を抜き取り材料とする(成人で胸腺がすでに委縮してしまっている場合)
↓↓↓
ストレスに対処するために副腎が休めなくなり、コルチゾールが正常に分泌されなくなってくる
↓↓↓
糖からエネルギーを作りだせなくなり、コルチゾールを作り出すために筋肉細胞が分解されるため、なんとか材料を確保してもエネルギーを作る場所がなくなり、元気に動けなくなる
↓↓↓
エネルギーを確保するために身体のすべてを食い尽くし、炎症が起こり続ける
重症化・難治化しているアトピーの場合、こんな負のサイクルが身体で起こっています。
そもそも身体を動かし生かすエネルギーが足りなくなってきているところへ、さらに危機的な状態に対処するために分泌されるコルチゾールまでも枯渇してきます。
筋肉が少なくなってくるために、ミトコンドリア・レベルでエネルギーを作り、熱を放散する「場」がなくなってきます。
アトピーで身体に熱がこもったように感じられるときは、すでにコルチゾールが足りなくなり、身体の皮膚や筋肉を食い尽くし始めているサインかもしれません。
この負のサイクルを断ち切るためには、ストレス・マネジメントと、三大栄養素である脂質・糖質・タンパク質の摂取が何よりも大切になってきます。
狩猟時代のように敵から「戦うか」「逃げるか」の選択を迫られるような危機的状況が現実には起こっていなくても、自分が意図していなくとも、現代社会はストレスに溢れているもの。
何も考えずに、ファストフードやコンビニ食でお腹を満たしていると、現代的な栄養失調により、アトピーの炎症と戦うために身体が必要としている栄養素を満たすことができません。
そのため、当院では鍼灸治療と合わせて、患者さまご自身が主体的に行うセルフケアを大切にしています。
病気を治すのもアトピーをよくするのも、患者さまご自身。
鍼灸治療は自身が持つ自然治癒力を最大限に引き出し、アトピーをよくするスピードを加速させます。
どうぞお気軽にご相談ください。