大阪市東住吉区 女性鍼灸師 アトピー治療 不妊治療 沙羅鍼灸院

症例│アトピー性皮膚炎

鍼灸は肩こり・腰痛に効く、ぐらいの認識の方が多いようですが、
 
実は鍼灸の適応症は実に多様でさまざまです。
 
 
そこで当院で鍼療する機会のあった症例の中からいくつかご紹介します。
 
 
尚、ここでご紹介する症例の内容はすべて、
 
当院で実際に鍼療を行った内容であることを、ここに明記しておきます。

 

 

アトピー性皮膚炎 症例1

 主訴

アトピー性皮膚炎

 患者

男性 23歳

 経過

平成22年10月初診。

幼少期から肘の内側などにアトピーが出ていたが、生活に支障をきたすほどではなかった。

専門学校を卒業後、害虫駆除の会社に勤めたため、

おそらく薬品が原因で強いアトピー症状が誘発された。

その後3年間はほぼ引きこもり状態だったという。

半年前から自己流で脱ステロイド。保湿はワセリンのみ。不眠。冷え症。

 既往症

慢性腎炎で小学5年のときに入院している。

右膝靭帯損傷。

 治療

脾虚陰虚熱証として、奇経・衝脈の公孫、陰維脈の内関などに置鍼。

背部は反応出ている兪穴と、天柱、風池、委中などに置鍼。

身柱に透熱灸、志室、湧泉、失眠に温灸。

4回目から腎虚証として、陰きょう脈の照海、陽維脈の外関などに置鍼。

 考察

初診時は足の裏を除いて全身にアトピー症状が出ており、

頭から灰をかぶったような状態で、皮膚全体が赤みをおびていた。

「3か月で社会復帰させる」と約束し、週に1・2回のペースで治療を行い、

3か月後には顔面部の赤みは気になるが、アルバイトを始められるくらいまで良くなった。

その後、就職を機に一旦治療を終了したが、

平成24年6月に顔面部のアトピーが再発し、再来院。

このときは美顔鍼も行い、2か月ほどで治療を終了している。

アトピー性皮膚炎の治療はいくつかのステージがある。

そのステージによって対処の仕方や治療が変わってくる。

鍼灸治療では自然治癒力を高めて体質改善を図り、アトピーが発症しにくい身体作りを目指す。

同時に保湿依存からの脱却を図ることが肝要である。

患者のステロイド使用歴などが主な要因となり、

数か月でよくなるケースもあれば、何年もかかるケースもある。

この患者の場合は、自己流とはいえども半年前に脱ステロイドをしていたことが

早期の改善に繋がったと思われる。

また、食生活やライフスタイルの改善も大きく影響する。

思い込みを捨て、生活を変えるのは勇気がいるが、その見返りは大きい。

 

アトピー性皮膚炎 症例2

 主訴

アトピー性皮膚炎

 患者

女性 32歳

 経過

平成22年6月初診。

高校2年のときに発症するが、大学3年の頃には一旦治る。

26歳のときに再発。以降は増悪と寛解を繰り返している。

春頃になると悪化する傾向がある。

保湿はアンテベート、リンデロン、プロトピックなど。便秘。

 既往症

特になし。

  治療

腎虚証として、陰きょう脈の照海、関元などに置鍼。

痒みに対しては胆経の経穴を適宜選択して用いた。

背部は反応の出ている兪穴と、風池、委中などに置鍼。志室に温灸。

  考察

脱ステロイドを希望して来院された。

使用中のステロイドの量は、ヒルロイド軟膏と混ぜて出されているらしく、

どのくらいを使用しているか自分では把握できないという。

皮膚科の医師は、どのくらいのステロイドを使っているか知るとそれがストレスになる、

と言って教えてくれないらしい。

せめて休薬日(ステロイドを使わない日)を設けて、

自身のステロイド依存度を自分で把握するようにしてもらえるようお願いした。

週に1回のペースで通院し、4回目にはステロイドを使用する日が1日おきになった。

この頃には便秘も改善し、毎日出るようになった。

2日おき、3日おき、と徐々にステロイドの使用頻度が減り、

3か月ちょっとでステロイドをほとんど使わなくなり、治療を終了した。

脱ステロイドを希望して来院される方は多い。

ステロイドを一気に止める方法と、この患者のように徐々に減らしていく方法とがある。

前者ではどうしても激しいリバウンドが起こるので、

見た目を気にする女性は後者を選択することが多いようである。

また、最終目標が脱ステロイドなのか、アトピーを完治させることなのか、決めるのはご本人である。

術者としては「完治」まで持っていきたいところだが、経済的な問題もあろう。

ステロイドを含まない保湿剤すら必要のない肌の状態で、アトピー症状もない状態が、

術者にとっての「完治」である。

 

アトピー性皮膚炎 症例3

  主訴

アトピー性皮膚炎

  患者

女児 6歳

  経過

平成21年9月初診。

1歳ぐらいからアトピーの症状が出始める。

春先に悪化する。

鼻血もよく出る。

来春から小学生になるのでなんとか治したいと来院。

  既往症

特になし。

  治療

打鍼と大椎の温灸。

8回目から本人の承諾を得て豪鍼の治療も加える。

主治穴は、照海、合谷、百会など、その時々の脈を診て決める。

身柱、肺兪にも温灸したりした。

  考察

幼児のアトピー性皮膚炎の主な原因は、脾胃の未発達が原因になっていることが多い。

つまりは食生活を改善すればある程度改善する。

この女児の場合は幼児期特有の神経発達症状が相まってアトピーを悪化させていた。

来院当初は、肌全体が乾燥していて、顔と上半身と膝裏の赤みが強く、掻き壊した痕もあった。

遠方の方であったがお母さんが付き添って週に2回ペースで来院、

小学校へ上がる春頃には、肌の乾燥は残るものの、皮膚の赤みや掻き壊し傷はなくなっていた。

小学校へ上がってからは月に2・3回ペースでしばらく来院。

季節の変化に伴って多少悪化することはあっても、プールや運動会など学校行事にも参加し、

元気に学校生活を送っている。

平成23年12月に久しぶりに来院したときには、

首に少しアトピーの兆候が見られる程度でお肌は子供らしい艶のある肌になっていた。

幼児期のアトピーは食生活が大きく影響する。この女児の場合はお母さんがとてもよく頑張られた。

あとはおもいっきり遊んで、たっぷりと睡眠をとり、

小児期特有の神経発達症状を減らしてあげることである。

子どもはストレスを感じないと思っている人がいるが、そんなことはない。

肩こりの子どもは山ほどいる。もっとも昨今の子どもはゲームばかりしてあまり外で遊ばないのも問題かと思っている。

 

 

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