何でも流行りというものがあって、同じ人の身体の健康を扱っていても、その時代によって良いとされるものが変わることがあります。

その代表選手が「油」です。

どんな油が本当は健康によくて、どんな油が身体にダメージを与えるのか。

「健康」や「老化」などにも繋がってくる話になりますので、アトピーで油の接種を控えておられる方も、アンチエイジングに励んでおられる方も、健康でありたい方も、これからお伝えする油の話は、ぜひ知って欲しい内容になります。

油は必要なのか?

そもそも日本人が油をとるようになったのは、この100年くらいの話で、戦前、もっと言うと明治以前は油を使った料理なんてぜいたく品、庶民の台所にはありませんでした。

食材の中に含まれている油で十分バランスが取れていたのかもしれません。

基本の調理法は、煮る・炊く・焼く・蒸す料理。

今の時代ならグリルやオーブン料理も良いでしょう。

オメガ3系の油のサプリメントを摂る健康法が10数年前から流行り、アトピーの炎症を静めてくれる油だから、撮った方が良い、という情報がとても多いのですが、本来であれば健康な身体と肌を維持するために必要な油は、自分の身体で作り出せる、という事実を覚えておいてください。

脂肪や油は分解にとてもたくさんのエネルギーを消耗します。

健康で、気力・体力共に十分にある人なら、多少摂っても問題はないかもしれませんが、もしご自身が「疲れやすい」「いつもだるい」「やる気が起きない」と感じておられるなら、消化・分解・吸収に膨大なエネルギーが費やされる油は、摂らないか、極力控えることをおススメします。

油の分類<長鎖・中鎖・短鎖脂肪酸 >

油(脂肪酸)の分類には2種類の分類の仕方があり、炭素の数と、飽和してるか・いないか、つまり常温で固まっている油か液体かに分けられます。

炭素の数で分類されている方というのは、いわゆる長鎖・中鎖・短鎖脂肪酸と言われている分類です。

炭素結合の枝が長ければ長いほど、消化に膨大なエネルギーが必要になります。

この炭素数が多いもの、長鎖脂肪酸には流行りのオメガ3の油(亜麻仁油、魚油)や、植物性油として知られる油(サラダ油・ごま油・菜種油・大豆油など)が含まれます。

そもそも油を摂らない方が良い理由がここにあります。

油はお肌の天然保湿クリームの構成材料である汗と垢と皮脂の材料になるものですが、胃腸が弱い傾向が強いアトピーの人が、油を皮脂の材料として皮下組織や真皮層まで届けられるかどうか、それがまず問題だからです。

長鎖脂肪酸に比べて消化吸収が4倍、代謝は10倍速く、脂肪になりにくく素早くエネルギーになるのが中鎖脂肪酸です。

中鎖脂肪酸のの代表がココナッツオイルです。

常温で固まっているか液状かの分類では、常温で固まる方の飽和脂肪酸に分類されます。

ちなみに短鎖脂肪酸は、小腸・大腸で作られます。

油の分類<飽和脂肪酸・不飽和脂肪酸>

よくアトピーに良いのはオメガ3で炎症を静め、オメガ6は炎症を引き起こす原因になるから、オメガ6はよくないとか言われますね。

これは液体(不飽和脂肪酸)か固体(飽和脂肪酸)か、という油の分類での話です。

不飽和か飽和に違いは、簡単に言うと酸化するか・しないかの違いです。

オメガ3・6・9が不飽和脂肪酸で、ココナッツオイルやバター、牛脂などが飽和脂肪酸に分類されます。

簡単に言うと、オメガ6は食用油としてよく使われている植物性油や植物性油脂など加工された油、オメガ3は魚の油もしくは熱を加えずに使うアマニ油などで、オリーブオイルがオメガ9です。

一般には、オメガ3と6のバランスがアトピーの悪化や健康被害を引き起こす、とされていて、オメガ3と6の割合は1:4が理想とされていますが、現代はこのバランスが1:10かそれ以上、という人も多いのだそうです。

だからオメガ6を減らしてオメガ3をとりましょう、なんて話が巷ではされていて、アトピーの炎症に関係がない油がオメガ9の油のオリーブオイルだから、普段使いの調理油はオレイン酸たっぷりのオリーブオイルが良い、というのが通説になっています。

この説が間違っているとか正しいと言いたいのではなく、アトピーを治す方向へ向かう油なのか、それとも代謝を落とし免疫を落とし抑制して、症状が表面に出ないようにする方向なのか、の違いがある、と言いたいのです。

アトピーの病態を作る過酸化脂質。

アトピーの病態を作っているものは、体の中に溢れる過酸化脂質、つまり酸化した油です。

オメガ3もオメガ6もオメガ9も多価不飽和脂肪酸(PUFA)に含まれ、酸化しやすい油、過酸化脂質になりやすい油です。

過酸化脂質は、脂質が活性酸素によって酸化したものの総称で、不飽和度の高いもの、つまり不飽和脂肪酸と結合することで過酸化脂質になり、体内でエネルギーの産生をブロックしてエネルギー産生所であるミトコンドリアの機能にダメージを与えます。

どんなダメージを与えるのかというと、タンパク質を分解する酵素をブロックし、エネルギー代謝が低下するため、タンパク質不足から自己免疫疾患になったり、甲状腺機能が低下したり、血栓を除去する機能が失われて脳卒中や心筋梗塞になるリスクが増え、白血球の異物や老廃物の貪食する作用が失われて感染症にかかりやすくなり、ガンになりやすくなり、コラーゲン繊維の新陳代謝が行われにくくなった肌は老化してシミやシワだらけになり、諸々の炎症は加速します。

「代謝」という、生きていく上でなくてはならない細胞の死と再生の循環がスムーズに行われなくなるだけでなく、人の身体を動かすエネルギー代謝そのものが低下し、疲れやすい、いつもだるい・しんどいといった状態になります。

よく悪者扱いをされる活性酸素そのものが身体に悪影響を及ぼすのではなく、結合する相手、つまり不飽和脂肪酸があるから過酸化脂質になって、アトピーの炎症をはじめとする、さまざまな不調を引き起こすのです。

結合する相手がいなければ酸化は起こりませんし、炭素結合の枝が短い飽和脂肪酸は、活性酸素には目もくれずにすぐにエネルギーになるため、過酸化脂質を作る要因にはなりません。

なぜそんな油(特にオメガ3)が“健康に良い”という情報が巷に溢れているかというと、代謝を低下させることによって、その場で起こっている炎症物質の代謝も低下せしめるために、一見炎症が静まっているように見えるからです。

一見、炎症が静まっているように見えても、その炎症物質が代謝されたわけではなく、それはそのまま過酸化脂質という毒素として体内に残っている訳ですから、いずれは表に出てきます。

それがアトピーの炎症なのか、甲状腺機能障害なのか、ガンなのか、その他の病気になるのかは、その体がどの形態を求めているかによって異なるだけの話になります。

どの方向を向いて治療をするのか。

だから、どんなときも知っておいて欲しいのは、今、自分が行っていること(治療やセルフケア)が、どの方向を向いているか?ということです。

今起きている炎症が痛くて辛くて苦しくて、だから一先ず炎症を抑制して病と闘うエネルギーを回復したいのか。

この炎症は辛いけども先延ばしにしてリバウンドが起こったり、他の病を引き起こすことは嫌で回避したいのか。

代謝も免疫も下げて、治らなくていいから、低いエネルギーでいいから、生きていけたらいいのか。

代謝も免疫も上げて、アトピーを、この病を「治したい」のか。

どんな治療を選択するにしても、どんな生き方をするにしても、メリットとデメリットがあります。

その選択に正しいとか間違っているとかはありません。

その道は1つしかない訳でもありません。

寄り道をすることがあっても良い。

その道は曲がりくねっているかもしれないし、歩きやすいところもあれば歩き辛いところもあるでしょう。

この身体で生きていくしかない以上は、その道を選ぶ自由はあなた自身にあり、幸いなことに現在の日本ではどの道を選ぶことも可能です。

どの道を選ぶにしても、私は、今自分がどのステージにいて、何を行っているのか、そのことを知っておいて欲しいと思っています。

もし、今の自分のステージやどの方向を向いているのか分からない、ご自身がどうしたらいいのかも分からない、と感じているようでしたら、お気軽にご相談くださいね。

こちらの記事↓↓↓も参考になさってください。

ステロイドとは何なのか?①

なぜステロイドでは治らないのか【ステロイドとは何なのか?②】

ストレスへの対処システム【ステロイドとは何なのか?③】

ステロイドの皮膚への影響【ステロイドとは何なのか?④】

脱ステとリバウンド

【アトピーをよくするための10の基本事項】

①アトピーノートを作ろう!

②爪のお手入れをしよう!

③アトピーの回復を最も助けてくれるもの

④毎日、お風呂に入る必要はない。

⑤ファッションのキーワードは「コットン」

⑥洗濯用洗剤がアトピーの原因になることも・・・

⑦1日1回のハウスダスト対策

⑧やっぱり運動もしなくっちゃ。

⑨シーソーが揺れ動くのを楽しんでしまうくらいの気持ち(マインド)

⑩独りでがんばらなくてもいい。

鍼灸治療は、心と体の調和を目指します。

定期的に受けることで、心身の健康を保つために役立ちます。

心と身体が丈夫になり、

柔軟性が向上し、免疫力が高まってきます。

自信が持てるようになり、

リラックス、ストレス軽減効果があります。

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