なぜステロイドでは治らないのか【ステロイドとは何なのか?②】
さて、ステロイドについて書いてきましたが、上記の記事を読んでどんな印象を持たれたでしょうか?
私自身はステロイドの仕事、役割を考えたときに、やはり部分ではなく全体を俯瞰して見る、ということが大切なんだな~と感じています。
アトピーは「皮膚」という部分に出る症状に囚われがちですが、重症になるにしたがって心と身体にさまざまな不調が現れてきます。
アトピーの主症状である痒みだけでなく、便秘や下痢、汗の異常、熱感、不眠などの睡眠障害、常に微熱がある、低体温などの他にも、頭がボーっとする、集中できない、いつも疲れている、イライラする、不安感や恐怖心が強いなど、アトピーの要因が多岐にわたるのと同様にその不調も多岐にわたります。
そのため当院では、ステロイド薬を使う・使わないよりも、その他の不調を改善して身体の元気を取り戻すことをひと先ずは目標とします。
身体が元気になれば相対的なエネルギー量も増え、炎症を静める仕事も自分自身でまかなえるようになり、自然にステロイド薬を使わなくても済むようになるからです。
鍼灸治療は、慢性的な負のサイクルを断ち切り、スイッチを切り替える役割を果たしてくれます。
例えば交感神経/副交感神経のどちらかに偏りがあれば、偏りを戻します。
緊張があれば弛緩を、弛緩があれば緊張を、汗がかけなければ毛穴を開いて汗をかけるように、汗をかきすぎるときは毛穴を引き締めて汗を減らします。
うっ血を取り除き、血流の偏りを正して、全身の血液循環をよくします。
ONをOFFに/OFFをONに、戦闘モードを休息モードに、休息モードを戦闘モードに。
そうして身体の恒常性を保つスイッチを入れます。
ただし、このスイッチの欠点は永続性がないことです。
永続性のあるスイッチは、本来すべての人に備わっています。誰にでもです。
人の身体には本来、鍼灸のような外部からのスイッチを入れなくても自分自身でスイッチを切り替える力が備わっているのです。
このスイッチは意識してもしなくても勝手に切り替わる自動制御システムです。
この自動制御システムはホメオスタシス(恒常性)と呼ばれています。
この自動制御システムがきちんと働くようになれば、鍼灸の力を借りなくても不調は改善されるようになり、アトピーも治っていきます。
当院が目標とするアトピー治療のゴールはここです。
鍼灸がなくても、ステロイド薬がなくても、自動制御システムが作動するから平気。
それがゴールです。
そういう訳ですから、当院では鍼灸治療と合わせて、患者さまご自身が主体的に行うセルフケアを大切にしています。
病気を治すのもアトピーをよくするのも、患者さまご自身。
「鍼灸治療を受けていたお陰でリバウンドも少なく自然に脱ステロイドできた」
「鍼灸を受けるとちょっと楽になる。だからまた頑張れる」
「鍼灸治療を受けて、よくなっていくイメージが初めて持てた」
と多くの方が仰っていただいています。
どうぞお気軽にご相談ください。