子どものアトピーについて、シリーズでお届けしています。
先ずは子どものアトピー発症の土台となる3つの要因、子どものアトピーが発症する6つの条件をご覧ください。
6つの条件の内、1つが当てはまる程度ならあまり問題でないことも多く、アトピーが発症しないことも多いです。
本日は6つの条件の4番目、アトピー発症の土台となる3つの要因に当てはまった上で、オメガ3の油を長期間にわたって摂っていた場合についてお伝えします。
アトピーの発症と改善には脂肪代謝が密接に関わっているため、アレルギーの原因でもあり、アトピーの炎症を引き起こすのはオメガ‐6(リノール酸)やトランス脂肪酸、炎症を抑える働きがあるのは、オメガ‐3(α‐リノレン酸)というのが、この10数年の通説でした。
オメガ‐6の油は、サラダ油などの植物性油、食材ではマヨネーズなどの加工食品や調味料、クッキーやスナック菓子の低質な油に多く含まれています。
また、トランス脂肪酸はマーガリンやショートニングに多く含まれます。
オメガ‐3の油が多く含まれているのはアマニ油、そしてサンマやサバなど、背の青い魚に豊富に含まれます。
植物性油でもオメガ-9のオリーブオイルは、オレイン酸が豊富で炎症の材料にはなりにくいと言われています。
一般的に炎症反応というものは、外傷や感染に対する重要な生体防御系です。
一方、アトピー性皮膚炎のように炎症の長期化、慢性化してしまう理由の1つとして、炎症を収束させるシステムの障害がある可能性が最近の研究で示唆されるようになってきました。
つまり身体のバランスを保つために人の身体は、一旦誘発された炎症は適切に収束する必要があり、この制御が破綻すると慢性炎症、なかなか治らないアトピー性皮膚炎へと発展してしまうことがある、ということです。
何が言いたいかというと、炎症を起さないようにする、炎症を抑制するためにオメガ-3を摂取するということは、免疫を抑制しているために症状が軽くなっている、もしくは出なくなっているだけであって、決してアトピーがよくなっている訳ではない、ということです。
実際、臨床を通して観察していると、オメガ-3を長期にわたって大量に摂取してきた方や、現在進行形で摂取されている方の多くは、低体温でアレルギーの感作性が強く、体調も崩しやすく、見た目も色が白くて細くて弱々しい感じがします。
免疫細胞の活性を抑制するということは、アレルギーをはじめ、他の病気に対する免疫反応も低下するからです。
ですから私は、子どものアトピーをよくするために、オメガ-3を積極的に摂る必要はないし、ましてやサプリメントなどでわざわざ大量に摂取する必要もない、と考えています。
大切なのは摂取する油の質とバランスであって、通常の食事の中でサバやサンマなどオメガ-3が多く含まれる食品を摂ることはまったく問題はありません。
(炎症を静めるに足るオメガ-3の量を取ろうと思ったらサンマを毎日5匹以上食べなくてはなりません)
むしろ少量のオメガ-3は免疫を活性することがさまざまな研究で既に証明されていること(伝統的な和食や地中海料理など)ですから、どうぞ心配せずに召し上がってくださいね。