
大人のアトピーは、アトピー歴が長ければ長いほど複雑で難治化していることが多いように思います。
長いアトピーとの戦いの中でステロイドを始めとする薬歴による影響が体全体におよんでいる他、薬以外にも免疫を抑制するようなことをしていたり、肌の再生する力など皮膚の機能が低下しているからです。
特にステロイドなどのお薬で、心と体に抑圧がかかっていた期間が長ければ長いほど、治り辛くなっています。
これはステロイド、もしくは他の抑圧するものを使い続けることによって、体の代謝サイクルが変わり、体にとって不要なものを排泄するために使われるルートが「皮膚」という出口に固定されてしまうために起こります。
この排泄ルートの出口の固定を外すことだけにフォーカスした場合、理論的には一体どのくらいの期間が必要になるのでしょうか。
不要なものを排泄するために使われるルート
人の体は、体にとって不要なもの ・体に悪いものを、出しやすい所から、出しやすい形で出します。
体は窒素系の尿毒や腸内細菌の残骸である糞便など体の代謝産物、体の中で代謝しにくい重金属系の毒や酸化した油など体にとっていらないものは、鼻水、目ヤニ、痰、尿、便などの形に変えて体の外へ排泄していきます。
そしてアトピーを考える上で忘れてはならないのが「汗」です。
汗を出す分泌腺は汗腺といって、皮膚にあります。
ステロイドをぬると、汗腺や皮脂腺の機能が壊れて、皮膚を保護する皮脂膜が上手く作られないようになっていきます。

アトピー歴が長い成人の多くは、汗がうまくかけない、という人が本当に多いです。
また皮脂の分泌も少なくなり、皮膚の潤いがなくなって乾燥肌になります。
通常人の汗腺や皮脂腺は、気温や湿度に応じて適度に開閉して放熱したり、皮膚を保護する分泌液を出したりしているものですが、汗腺の機能が壊れると、汗腺や皮脂腺の開閉がスムーズに行われず、体温調節や、体にとっていらないものを排泄する皮膚の役割が崩壊します。
皮膚に穴が開く、と言ってもいいかもしれません。
その穴から、体にとって不要なものがダダ漏れになる。
これがアトピーの病態だと私は考えています。
体にとって不要なものとは何か
アトピーの炎症の酷さ、炎症がどれくらいの期間続くかは、体の中の不飽和酸度によって決まります。
なぜなら、人の体は細胞でできていて、その細胞はアミノ酸と脂質(油)でできているからです。
この脂質が何でできているか、どんな種類の油かが、アトピーの炎症の度合いや、炎症を鎮めるために必要な期間を決めます。
不飽和酸度が高い、とは、多価不飽和脂肪酸の摂りすぎによって血中に不飽和脂肪酸が多くなっている状態のことです。
多価脂肪酸の代表格は、オメガ6系の油でサラダ油、グレープシード油、コーン油、大豆油、ごま油、マーガリン、マヨネーズなどで、アトピーに良いと言われているオメガ3系の油、 えごま油やアマニ油も含まれます。

そのため、食事で摂るときの油の種類や、摂り方には十分な注意が必要です。
加工した植物性油脂を摂らないことはもちろん、炒めものや揚げもので余計な油を摂らないようにするだけでも、アトピーがよくなるスピードが加速するので、ぜひやってみてください。
出口の固定を外すために必要な期間
体の中の不飽和酸度が変わり、代謝経路が変わっていく期間は、3カ月周期でステージが変わります。
そして体の代謝サイクルが変わり、体にとって不要なものを排泄するために使われるルートが「皮膚」という出口に固定されているのが外されるのには、およそ2年半~3年、体全部の細胞が入れ替わってアトピーの症状が出なくなるまでには、およそ4年半~5年かかります。
細胞の3分の2以上を占めている赤血球が生まれ変わるのに、120日。
免疫細胞が集まっている小腸は、2日。
私たちが口にしたものを分解・消化する胃は、5日。
お肌や髪の毛は、1ヶ月。
デトックス臓器の肝臓や筋肉は、生まれ変わるのに2ヶ月以上かかります。
骨もちゃんと再生していて、だいたい3~5年かけて入れ替わっています。
細胞が入れ替わらないと言われている脳や神経でも、「オートファジー」という細胞内のゴミ掃除の働きによって、実は細胞の中の内容物が入れ替わっているのです。
この体のさまざまな器官の生まれ変わりを何度も何度も繰り返していく内に、 代謝サイクルが変わっていき、排泄ルート=「皮膚」という出口の固定が外されていくのです。
そのため、大人になってからのアトピーがよくなるための戦いは、長い時間が必要ということを肝に命じる必要があります。
期間を短縮できる条件
人の体のメカニズムによってアトピー完治にかかる期間が決まっているのですから、誰であっても人間である限り、このメカニズムから逃れることはできません。
ただし、まったくこの期間を短縮する方法がない訳でもありません。
アトピーがよくなっていくプロセスにおいて、ある程度よくなってからも1年に1回くらいはアトピーが酷くなる時期があります。
多くの場合、この酷くなる時期は「悪化」や「再発」と捉えられてしまうこと多いのですが、これは決して後退ではなく、アトピーがよくなっていくプロセスにおいては「前進」です。
この1年に1回、酷くなる時期を3回繰り返すと(つまり3年)、ほぼキレイになります。
もちろん、この1年に1回酷くなる時期の症状が軽い人もいて、そういう人は元々代謝が落ちていないか、もしくはステロイドなどによる抑圧があったとしても軽度で、代謝が上がったときに格差が大きくない場合です。
つまり、代謝に必要な37℃の体温を保持し、不要なものの排泄に皮膚以外の出口(排便・排尿)を積極的に使い、さらに汗腺をしっかり使って質の良い汗をかいている人、ということになります。
ごく簡単に言うと、よく運動をしている人です。
ぜひ自分が楽しんでできて、毎日続けられる運動をセルフケアに取り入れて、アトピーがよくなるのを加速させてください。

大人のアトピーの改善を最も阻むもの
人のからだのメカニズムを理解して、上記の通りに油を選んで摂り、よく運動したとしても、理論通りにアトピーがよくならないことがあります。
人の心と体は密接にリンクしていて、10代、20代ならいざ知らず、40代、50代以上になってくると、長い年月をかけて作られてきた「私」があり、いろいろやってみたけれどよくならなかった経験があり、長期戦になることが多いアトピーと戦うエネルギーが少なくなってきていることが多いからです。
アトピーという病態が長い時間をかけて「皮膚」だけの問題ではなくなってしまい、心と体、しいてはアトピーという病態を抱える人の思考や生き方、人生までも左右する課題になってしまっているのです。
その場合は、「アトピーがよくならなくてもいい」「薬でコントロールする」という選択肢があっても良い、と私は考えています。
アトピーをよくすることだけが人生の目的ではないからです。
もちろん、当院には50代であっても、重症の寝たきりアトピーから改善していった症例が数多くありますから、アトピーはよくしていけると私は考えています。
でも、ときには苦しくて辛いアトピーと戦いを、戦うのはあなた自身です。
人生100年時代、残りの人生をアトピーに煩わされずに生きるのか、それともアトピーと共に生きていくのか、選ぶのはあなたの自由です。
もし、がんばってみよう。という気持ちがあるのなら、私は鍼灸という業を使い、持てる知識と経験をフル動員して、長期戦になることが多いアトピーとの戦いを少しでも楽にし、あなたとアトピーの戦いをサポートしていきます。

鍼灸治療は、心と体の調和を目指します。
定期的に受けることで、心身の健康を保つために役立ちます。
心と身体が丈夫になり、
柔軟性が向上し、免疫力が高まってきます。
自信が持てるようになり、
リラックス、ストレス軽減効果があります。

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