「食物アレルギーとアトピーは別もの!!」で食物アレルギーとアトピーの違いについて書きました。
子どもの食物アレルギーについてはさまざまの意見がありますが、その異なる意見と情報に両親や周囲の大人たちが振り回されている印象があります。
そもそも子どもの身体は未熟で発達過程にあります。
消化器官も同様に未成熟なため、大人と同じ食事をすると本来なら異物(アレルゲン)と認識しなくても良いものまで異物として認識しまうことがあります。
異物として認識してしまうとIgE抗体というアレルゲンを受け止めるレシーバーのようなものが作られます。
IgE抗体が増えるとアレルゲンに対して感作性が高い状態になり、再び異物が侵入してきたときにアレルギー反応を起こしてしまうのです。
そのため、母乳が出ないなどの特別な理由がない限り、①早い時期から離乳食を始めない、②消化吸収が難しいタンパク質や加工食品を与えないことが、食物アレルギーの予防になります。
そして子どもに消化の力が備わってくるのを待ちながら、腸粘膜の損傷を起さないようにします。
そうしていると通常2歳前後には消化器官のひな型が完成し、小学生になる頃には乳児期にアレルギーと言われたものにもアレルギー反応を示さなくなってきます。
腸粘膜の損傷を起さないためには、粘膜を溶かすような成分(アルカロイドなど)が含まれているような野菜を食べないようにするか、もし食べるなら発酵によって毒性が弱まった状態にして食べるようにします。
アルカロイドが多く含まれる野菜の代表格はナス科の野菜で、トマト・ナス・ジャガイモ・ししとうなどがあります。
近年になって急速に子どもの食物アレルギーが増加してきた背景には、数十年前までは日本になかったり手に入り辛かった食材を食べたり、戦前は生食することがほとんどなかった野菜を生で食べるようになったことも1つの要因にあるかもしれません。
子どもの食物アレルギーの代表格、卵や牛乳を常食するようになったのも戦後のことです。
サポニンの毒性が指摘される大豆も、味噌や醤油、納豆といった発酵食品という形でとらなければ身体に害を与えることを昔の人はよく知っていたのかもしれません。
もし子どもが食物アレルギーになってしまった場合は、以下の2点に留意しましょう。
1.アレルゲンの抗原除去をがんばりすぎない
近年になって食物アレルギーの乳児に対しては、消化機能の成長発達に伴って食物アレルギーが減ってくることがよく知られるようになり、また完全除去食をしていた子どもよりも、ごく少量ずつでも食物アレルギーの食品を食べていた子どもの方がアレルゲンに対して感作性が低いことが分かってきているため、乳幼児の頃からの完全除去食については否定的な意見が増えています。
アナフィラキーを起すほど感作性が高い場合は別として、湿疹が出る程度なら「少しくらい食べさせても大丈夫」という気持ちでいても良いのではないかと思います。
抗原除去をがんばりすぎる、ということは、そのアレルゲンに対する免疫を獲得する機会を奪う、ということでもあるのではないか、と考えているからです。
2.菌との共生を心掛け、腸壁や消化機能の強化を心掛ける
腸内環境が良く免疫力が高い状態というのは、腸内で悪玉菌にも善玉菌にも偏ることなく多くの種類の菌が共生している、ということです。
悪玉菌には悪玉菌の役割があり、善玉菌には善玉菌の役割があります。
体内に多様な菌を共生させるためには、いろんなものを食べる、ということが基本です。
身体に良い/悪いからという理由で、ある特定の菌に偏らず、なんでも食べる。
味噌や醤油は昔ながらの製法で作られたもの、原材料がシンプルで余計なものが添加されていないものを選ぶと腸内環境を整えることに一役かってくれます。
ちなみにパン製造に使われるイースト菌や、飲む点滴と言われる甘酒の麹菌は真菌の1種で、多すぎると大腸癌などの原因にもなりますので、摂り過ぎには気をつけたいものです。
当院では食物アレルギーやアトピーで全身が湿疹だらけだったお子さまも、小児はりを受けることで消化器系統が丈夫になり、お肌もキレイになっていかれています。
お子さまの食物アレルギーやアトピーでお悩みの方は、どうぞご相談ください。
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