
子どものアトピーについて、シリーズでお届けしています。
先ずは子どものアトピー発症の土台となる3つの要因、子どものアトピーが発症する6つの条件をご覧ください。
3つの要因があった上で、6つの条件の内どれかが当てはまると発症率が上がりますが、6つの条件の内、どれか1つだけ当てはまるからと言って発症するわけではないので、ご安心くださいね。
それだけアトピー性皮膚炎という病気は、1つの原因によっておこる病気ではなく、いろいろな発症因子、増悪因子が絡んで、その病態を作り上げている、ということなのです。
今日は6つの条件の1つ目、アトピー発症の土台となる3つの要因に当てはまった上で、粉ミルクで育った場合、なぜ発症率が上がるのかについて、お伝えしたいと思います。
妊娠中から母親の身体は、赤ちゃんが必要とするものを提供するための準備をしいきます。
乳頭の奥にヘテロ乳酸菌の一種であるビフィズス菌(ビフィドバクテリウム属)のコロニーが出来上がり、赤ちゃんが産まれると母乳とともに排出されます。
赤ちゃんは初めて口にする母乳の中には、大量のビフィズス菌が含まれており、赤ちゃんは母乳を飲むことで大量のビフィズス菌を消化管に定着させ、その人の腸内細菌叢(腸内フローラ)の基礎、つまりは免疫細胞の80%を占めるとも言われる腸内免疫の礎になります。
これが母乳育児が勧められる一番大きな理由です。
育児用粉ミルク(正式には乳児用調整粉乳)は、牛乳を元に作られていることはご存知の方も多いと思います。
でも牛乳と人間の母乳とでは、成分に大きな違いがあるため、人間の赤ちゃんに適した成分に調整したものが、粉ミルクです。
2012年以降に発売されている粉ミルクには、脳機能の発達に必要とされるDHAやアラキドン酸が含まれていることが多く、アラキドン酸を積極的に摂取した赤ちゃんは、その後の記憶力検査、運動能力検査、言語能力検査などで他の赤ちゃんよりも良い結果が出ている一方で、過剰になってしまうとアレルギー症状を発症する要因になることが最近の研究で分かってきたそうです。
アラキドン酸は大人ならリノール酸という植物油に多く含まれる脂肪酸から体内で作ることができるのですが、1歳未満の赤ちゃんは代謝機能がうまく働かないので自分で作ることができないため、食事(母乳)から摂る必要があります。
DHAもアラキドン酸も不飽和脂肪酸で、酸化しやすい油であることに加え、代謝機能が未発達な赤ちゃんは、その代謝を人体最大の排泄器官である皮膚の上で行うことになり、アトピーの発症に繋がるという訳です。
対策としては、粉ミルクを使うときは「抗酸化作用」のあるもの(βカロテンやビタミンA/D/E/K/C)の補充が必要になります。
母乳で育つ赤ちゃんの場合は、お母さんが食べた食事が母乳を通して赤ちゃんに届けられるので、DHAやアラキドン酸は十分に補充されていると考えてよいと思います。
ただし、油とタンパク質を主に赤ちゃんの身体は成長・発達していきますから、不飽和脂肪酸である植物油の取り過ぎには充分注意したいものです。
食事を作るときの調理法はあまり油を使わなくて済む、煮る/炊く/焼く/蒸すを中心にしてくださいね。
繰り返しお伝えしていますが、子どものアトピー発症の土台となる要因の3つが当てはまらなければ、過度に心配する必要はありません。
子どもがアトピーになる条件の内、1つだけ当てはまる程度ならあまり問題はなく、アトピーが発症しないことも多いです。
当院では、乳汁分泌不全など、出産後のお身体の不調に対する治療も行っております。
子どものアトピーへの対処の仕方、ちょっとしたセルフケアやお母さんの食事のことなど、不安や懸念があって詳しく知りたい方は、10~20分ですべてを説明することは不可能ですのでカウンセリングを受けてくださるよう、お願いしています。
どうぞお気軽にご相談ください。
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【カウンセリングの流れ】
① 事前にカウンセリング・シートにご記入、提出していただきます。
② 対面、もしくはスカイプで、実際にお顔を見ながらカウンセリングさせていただきます。
※東洋医学的な診断のために実際にお顔を拝見する必要があります。
③ 今のあなたに必要なセルフケアやアトピーをよくするコツをお伝えします。
④ 数日以内に、カウンセリング結果をまとめた診断書をメールでお送りいたします。