不妊外来の治療と並行して、または不妊治療を休み中に鍼灸治療を受けられる方が増えています。

本日ご紹介する症例は、不妊外来での治療を受ける中で、ポリープをとる手術のため出血が止まらなくなった方の症例です。

 

【主訴】不妊症。冷え、肩こり、頭痛、生理痛など。

【患者】34歳女性

【経過】

多嚢胞性卵巣症候群と診断され、2年ほど前から不妊治療開始。人工授精5回、その間に卵管閉塞の手術済。

平成30年3月より鍼灸治療を開始、9月に子宮ポリープをとる手術を受けた後、1か月以上出血が止まらなかった。

初診時はうっ血性の冷えがあるため、子宮や卵巣で冷えから身体を守るために炎症が起こりやすい状態であった。

鍼灸治療を始めてからは生理痛がなくなり、肩こりや頭痛も改善された。

治療開始から約半年後に採卵し、移植可能な成熟卵を5つ採卵できた。

その後、移植に先立って子宮にあったポリープをとる手術をしたところ、術後に出血が止まらず再来院。

鍼灸治療1回で出血量が大幅に減り、2回目の治療の次の日には出血が止まり、予定日より2週間遅れたが生理がきた。

 

【考察】

どんなにグレードの高い卵子を採卵できても、受け皿であるお母さんの子宮内膜の状態がよくなければ妊娠率は下がります。

鍼灸治療によって手術で受けた子宮内膜の損傷の治癒を促すことで出血を止め、移植へ向けてお身体を整えさせていただきました。

 

仕事(立ち仕事)が忙しく、責任の大きい役職にもつかれているためストレスが多い中、不妊治療をされています。

不妊外来で受ける不妊治療は費用が高額で、授かるために心にも身体にも負担になることは避けたいにもかかわらず、その費用をまかなうために仕事を続けざるを得ない、という方が少なくありません。

鍼灸治療も週に1回以上は受けたいが、費用がかかるため「毎週通院」というわけにもいかず、2週間や1ヵ月に1回の通院になる場合もあります。

この症例の方もそうしたお1人ですが、できる範囲で通院を続けられ、鍼灸治療を受けることが身体全体や子宮・卵巣の状態をよくするだけでなくストレス・ケアにもなり、順調に1歩1歩、授かる道を歩まれています。

 

器質的な疾患があると診断されて、授かるためにクリアにしなければならない課題が多い人ほど、鍼灸治療を受けて、1日も早く授かって欲しいと願っています。

どうぞお気軽にご相談くださいね。

 

 

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