今年の4月に日本でも新薬デュピルマブが認可され、皮下注射で副作用も少ない(と言っても30%以上に副作用が認められている)ことで注目されているようです。

認可されたとはいえ、デュピルマブを試すことができるアトピー患者が限定されていることもあって、まだまだ臨床例も少なく、一番強いステロイドを使っても改善が見られない重度のアトピー当事者にとって、もしかしたら福音となるのかもしれませんが、今後の動向を慎重に見ていく必要がありそうです。

また新薬は大抵そうなのですが、治療代も高額になります。(保険適用でも初月7万、2カ月目以降5万弱、6カ月継続する必要がある)

個人的にはアトピーの治療に選択肢が増えることはとても良いことだと思いますが、製薬会社が発行しているデュピルマブの添付文書には重要な注意点として「 本剤が疾病を完治させる薬剤でなく、本剤投与中も保湿外用剤等を併用する必要があること」とはっきりと明記されており、充分な説明が患者に対してなされること、また患者もきちんと理解した上で治療を受けることが大切と感じました。

子どものアトピーが発症する要因については既にまとめて書きましたが、慢性化、難治化している成人性アトピーについてもこれから書いていく予定にしています。

先ず、成人性アトピーの要因に関しては子どもに比べて複雑化している傾向があり、多岐にわたることをご理解ください。

 

子どもの頃にアトピーだったが13~18歳位までに一旦落ち着いていた場合と、成人してから発症する場合の2パターンがあり、20~30代になって就職、転職、引っ越し、結婚、出産など環境の変化がきっかけとなって発症することが多いです。

 

アトピーが発症した場合は、アトピーという病態に対して対応できるエネルギーを当事者が持っているかどうかがアトピーがよくなる鍵となり、身体の中に出さないといけないものがあったとしても、身体が本来持っているデトックス臓器がキャパ・オーバーになっておらず、しっかりと機能していれば、アトピーは徐々によくなっていくと当院では考えています。

 

アトピーをよくするシステム(自然治癒力)は、どんなにアトピーが酷い人であっても必ず持っています。必ずです。

これは言葉を変えれば、アトピーを治す力は既にあなた自身の中にある、ということです。

 

アトピーの人と、アトピーでない健康な人との違いは、以下の3点に集約されます。

① 身体の中にどのくらい代謝されるべきなのに代謝されずにあるもの(老廃物など、身体にとって「毒」となるもの)があるか

② 身体の中にある①を解毒、排泄して出すエネルギーがあるかどうか

③ 身体の内外に対する防御力・免疫力を持っているかどうか

 

①がある間は症状は出続けますし、②や③を作っていくために必要な時間は個人差が大きく、治療が長期にわたることもあるため、成人アトピーをよくしていくためには、症状に対するマネジメント(セルフケア)が大切となります。

 

①がある間、症状が出続ける理由は、過去にアトピーが出ていた部位を身体は覚えていて、その排泄をその弱い部分から優先的に使う、という特徴があるためです。

 

成人性アトピーはアトピーの要因が多岐にわたること、また治療が長い戦いになることがあるため、当院ではただ単に鍼灸治療を提供してアトピー症状の緩和や改善を促すだけでなく、カウンセリングやセミナー開催を通して、お一人お一人に寄り添った治療とアドバイスを行っております。

どうぞお気軽にご相談ください。

 

 

開催予定のセミナー情報
6月21日(木)10時半~13時

 

※参考:

デュピクセント皮下注射300mgシリンジ添付文書

デュピクセント製品情報

厚生労働省よりデュピルマブ製剤の最適使用推進ガイドライン(アトピー性皮膚炎)について

日経メディカル/【新薬】デュピルマブ(デュピクセント)アトピー性皮膚炎に抗体医薬登場

 

【子どものアトピーシリーズ】

子どものアトピー発症の土台となる3つの要因

子どものアトピーが発症する6つの条件

 

粉ミルクを使うとなぜアトピーの発症率が上がるのか

ママがベジタリアンもしくはマクロビアンだと、なぜ子どものアトピーの発症率が上がるのかについて

母乳をあげているママがマクロビアンの場合、なぜアトピーの発症率が上がるのか

オメガ3を積極的に摂る必要がない理由

1歳未満から抗生物質を与えない方がいい理由

抗菌除菌はやらない方が良い理由

 

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