痒みを誘発する要因の1つに「汗」があります。
痒くなるからという理由で「汗をかかないように」しているアトピーの方も多いです。
汗をかかないようにしていても、気温に関わらず自律神経の乱れから変な汗をかくこともあるでしょう。
一方で多くの方が汗をかくことによってアトピーが改善した経験をされています。
私もその1人です。
汗の原料は血液です。
汗腺のろ過機能がしっかり働いている汗は99%が水分でできていますが、ろ過機能がうまく働いていない汗には、本来であれば体内に残らなければいけないミネラルが含まれているため、結果的に体温調節が苦手な身体になったり、ミネラル欠乏から慢性疲労を感じやすくなったりします。
勘のいい方は既にお気づきの通り、アトピーのために体にこもっているように感じられる熱感や、アトピーと同様に慢性的に感じている疲れやすさ、疲労感の原因になっています。
また汗腺のろ過機能を使って皮膚は、肝臓や腎臓同様、排泄の25%を担っている、と言われています。
水以外の成分には、カリウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、重炭酸イオンなどのミネラルや電解質、さらに乳酸、尿素などの老廃物も、ほんのわずかですが含まれています。
この汗に脂肪酸やステロイドなどの脂質が多く含まれていると、汗となって出てきた脂質は酸化が起こって過酸化脂質になり、過酸化脂質が増えると活性酸素が増え、活性酸素がアトピーの炎症を強くする、そんな悪循環におちいることになります。
アトピー特有の体臭の原因にもなります。
ストレスや緊張など精神的な刺激によりかく汗、自律神経の乱れから起こる変な汗にも、水分以外の成分が多く含まれていることが多いです。
汗をかいたときに粘り気のある汗をかいている、アトピー特有の臭いがする、保湿剤を使っていないのにもかかわらずシャツの襟がすぐに黄色くなる方は、脂質やミネラルが多く含まれている汗をかいていると考えて良いでしょう。
私自身もアトピーが重症化した際にステロイドを一定期間使っていたので、ステロイド使用期間~脱ステロイド期は、体臭どころか家中のリネン類が独特の臭いで充満していました。
今では変な汗や体臭や洗濯の悩みからすっかり解放されて、自由を謳歌しています。
どうぞご安心ください。
汗をかくように心がけていた人のアトピーが改善したのには、ちゃんと理由があります。
汗腺のろ過機能は、汗をかけばかくほど高まる、という特性があるのです。
よく運動をしている人は、運動をしない人より汗がサラサラで、ほとんどが水分のよい汗をかくことで知られています。
過度に汗をかくことを避けるのではなく、適度に汗をかいて汗腺を鍛えることが、「よい汗」をかく秘訣です。
疲労困憊してアトピーをよくするエネルギーをなくしては本末転倒ですから、疲労困憊しない程度に楽しんで、ご自分ができる範囲で運動したり、半身浴をしたりして汗をかきましょう。