子どものアトピーについて、その傾向と治癒プロセス、ちょっとした対処法を、ご両親をはじめとする周囲の大人が知っておくと、適切に対処できるのではないかと思い記事を作成していますが、こうしたことより何より一番大切なことがあります。

 

痒がる子どもに対する大人の態度、姿勢です。

 

子どもが掻きむしっている姿を見るのは親として辛いことだと思いますが、「掻く」ということが親子のスキンシップの一環となって、掻いているこどもに親が注目/相手してくれる/代わりに掻いてくれる/薬をぬってくれることがオペラント条件付けされてしまうことがあります。

 

※オペラント条件づけとは、報酬や嫌悪刺激(罰)に適応して、自発的にある行動を行うように、学習することである。(wikipediaより)

 

子どもが掻く仕草をすると親は必死になって、掻くのをやめさせようとします。

「大丈夫かしら?」と心配します。

そして軟膏を塗ったり、代わりに掻いてあげたりしてスキンシップをしたり、相手をするようになります。

そうすると子どもは、掻く仕草をすると「親が相手にしてくる(注目)」と思うのが快感になって、わざと掻くようになります。

「掻いちゃダメ!」と起こることも同様の効果を発揮します。

アトピーでなくなると親の注目を得ることができなくなるため、子どもはますます掻くようになり、掻いている子どもを見て親はますます子どもに注目し、いつまでたってもアトピーが治らない状態が続きます。

 

子どもの間だけならいいのですが、これを子どもが30代40代になっても続けている親子を見かけることがあり、そこまでいくともうアトピーという問題だけではなく、共依存など親子関係の課題や、親もしくは子ども自身のマインドになにがしかの大きな課題がアトピーの改善を阻んでいる気がしてなりません。

 

このようなオペラント条件付けを解除するためには、できるだけ子どもが小さいうちに、子どもの求めに応じて掻くのを止め、子ども前で子どものアトピーを話題にしないことが大切です。

 

そのときのポイントは、子どもが掻いていないときに親が楽しく遊んでやるように対応し(必ずしも一緒に遊ぶ必要はない)、スキンシップは掻いていないときに積極的に行い、子どもが痒がって掻き始めたら止めるのではなく、無視することです。

 

そうすると子どもは掻くことによって親の注目を得られなくなるので、アトピーの改善とともに条件づけられた掻くこともなくなってきます。

 

これは小児行動学の観点からだけでなく、皮膚科の医学書にも書かれている内容ですから、親以外の周囲の大人(おじいちゃん・おばあちゃんや親せき、ご近所さんなど)が「かわいそう」という大義名分をもって攻撃してきたとしても、大切な子どもの親として断固として戦っていただきたい、と心から願います。

 

<参考文献>新しい診断と治療のABC16アトピー性皮膚炎/最新医学社

 

 

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