ご自身の平熱が一体何℃あるのか、ご存知の方はどのくらいおられますか?
私自身もそうですが、まぁ、だいたい風邪をひいたときか、健康診断のときくらいしか、体温計を見ることなんて普通はありません。
女性の場合は基礎体温をつけておられる方もおられるかもしれませんが、それも不妊治療をしていたり、生理周期が乱れていたり、または妊娠するためにタイミングに注意を払わないといけない、なんて人くらいで、基本的には気にされていない方が大半かと思います。
ところが、この体温というもの、実は自分の免疫力を知る上で、とても分かりやすい指標となります。
体温が一定の範囲に保たれる恒温動物である人間にとって、さまざまな生命活動に欠かせない酵素がもっとも活発に働ける体温は、深部体温で37,2℃
37,2℃というと「微熱?」というくらいの印象がありますが、私たちが普段、体温を計るときに計っているのは体表面の温度。深部体温は脳や内臓などがある、身体の深部の体温のことを指します。
外気に触れている体表面は、当然、深部体温より低くなる訳でして、よく体温を計るときに使われるわきの下は、36,2~36,3℃くらいが平熱と言われています。
ちなみに、基礎体温を計るときによく使われる舌下は、36,5~36,7℃くらいが平熱です。
わきの下は、はさみ方によって正確に計測できないことがありますし、最近、流行の耳たぶで計るタイプのものは、小さな子どもの熱を測るときには便利かもしれませんが、外気温の影響を受けやすい、ということを頭に入れておいた方がいいかもしれません。
いずれにせよ、体温は計る場所によって異なる、ということは覚えておいてください。
そして体温は1日の中で変動していて、朝は一番低く、夜になるにつれて高くなる日内変動というリズムがあります。
朝低血圧で起きれない、という人は、血圧が低いから、というよりも体温が低いために身体を動かすエネルギーが動き出すのに時間がかかるのです。
風邪をひいたとき、午前中は平気だったのに夜になると熱が出てきた、なんてことがよくあるのも、日内変動の影響が考えられます。
風邪のウィルスや細菌が熱に弱い性質をもっている、ということは、風邪をひくと高熱を出して熱でウィルスをやっつけようとすることからも分かるように、実は、ガンや膠原病、アレルギー、アトピー、胃潰瘍など、病気という病気のすべてが、体温が低い状態で起きている、と言われています。
体温が1℃下がると免疫力が30%下がる、とか、体温を1℃あげると免疫力が5倍になる、なんて話もあります。
なんでも50年前の日本人の平熱は、36,6℃、現代の日本人の平熱は、36,20℃なんだそうです。
病気にかかりにくい体温は36,5℃くらいと言われていますから、それ以下の人はちょっとライフスタイルを見直して体温をあげる対策をした方が良いかもしれません。
鍼灸治療を受けていると平熱が上がってくることがよくあり、過去には1か月程度で平熱が1℃上がった、という症例もあります。
冷えを改善したい方や、体温を上げて不調を改善したり病気を予防したい方は、ぜひ当院にご相談ください。